家族の約9割が不安!「行ってほしくない」が本音の7割超
驚くことに、海外出張を予定・検討している社員のパートナーの約9割が「渡航に対して不安を感じている」ことが判明しました。さらに、7割以上が「出張を控えてほしい」と内心では思っているのに、そのうちの4割はパートナー本人に言えずにいるという、切ない実態も浮き彫りになっています。

パートナーは「仕事だから」と頑張っていても、家族のこの「見えない拒否感」は、心のブレーキ(ファミリー・ブロック)となって、知らず知らずのうちに負担になっている可能性があるんですね。グローバルプロジェクトの停滞や、最悪の場合、離職につながるリスクもはらんでいると考えると、これはもう見過ごせない課題です。
日常の事件が怖い…約8割が行動制限を要望
なぜこんなにも不安を感じるのでしょうか。調査の結果、出張を控えてほしいと強く感じる家族は28%、行動制限を求める層を含めると、なんと約8割が懸念を示していました。その背景には、近年報道される通り魔事件や無差別殺傷事件など、予測できない日常のリスクに対する心理的な不安が大きく影響していると考えられます。

地政学的な「有事」だけでなく、日々の暮らしの中で起こりうる治安不安が、家族にとって一番の心理的ハードルになっているなんて…。企業側は、社員本人の安全だけでなく、その家族の心のケアまで視野に入れることが、これからのグローバル人材マネジメントには不可欠なんですね。
企業の備え、家族には「届いていない」現実と期待
一方で、企業がどれだけ危機管理体制を整えていても、その情報が家族にまで届いていないという現実も明らかになりました。「パートナーの勤務先は万が一の時、確実に救い出してくれる準備があるか」という問いに対し、「十分に準備・周知されている」と信頼している家族は、わずか17%に留まっています。

多くの企業は、危機管理マニュアルを社員本人には共有していても、家族には伝えていないことが多いようです。この「情報の断絶」こそが、家族の不安を増幅させている根本原因だと言えるでしょう。
でも、希望の光もあります!約8割の家族が「企業が緊急避難手段の確保や24時間相談窓口を導入し、家族にも説明していたら不安は軽減される」と回答しているんです。これは、企業がすでに行っている安全対策を、家族に「伝える」だけで、大きく不安を和らげられる可能性があることを意味しています。

家族が求めているのは、具体的な「救出のエビデンス」なのですね。企業には、具体的な安全対策とその情報共有が、強く求められています。
家族を含めた安全配慮が、これからのグローバル経営の鍵
では、この「ファミリー・ブロック」を解消するために、私たちはどうすれば良いのでしょうか?
調査からは、もし勤務先が「緊急避難手段の確保(チャーター機等)」や「24時間日本語医療相談」を導入し、その内容を家族にも説明した場合、8割以上の家族が「不安が軽減される」と回答しています。これからのグローバル経営において、企業は次の2点をセットで進める必要があるでしょう。
- 物理的な安全確保: 民間機が止まっても帰還できる手段と、24時間つながる医療・相談窓口の確保。
- 家族への情報開示: 安全対策を社外秘にせず、「当社はあなたの大切なパートナーをこうやって守ります」と家族に向けて明文化し、約束すること。
「社員を守る」義務は、今やその帰りを待つ家族の心理的安全性にまで広がっています。精神論や「大丈夫」という言葉だけではなく、具体的なエビデンスに基づいた安全対策を家族と共有することこそが、2026年のグローバルビジネスを支える新しい「安全配慮」の形と言えるでしょう。
ノウンズとHISの取り組み
今回の調査結果を受けて、ノウンズとHISは、企業が家族を含めた安心設計を制度化できるよう、それぞれの強みを活かしたサポートを提供しています。
ノウンズは、今回の調査で得られた消費者インサイトを、企業の人事・総務・リスクマネジメントの意思決定に役立つ形で提供しています。アンケートデータから家族や生活者の意識変化を可視化し、企業の制度設計やコミュニケーション改善を支援しています。

一方、HISは、法人向け海外出張・駐在員サポートサービス「BTMプログラム(Business Travel Management)」を通じて、家族を含めた情報開示と安心設計を重視した実務的なアプローチを提示しています。24時間365日のサポート体制、緊急時の避難支援、医療相談などを含む包括的な危機管理ソリューションで、企業の安全配慮義務の実現を支援しています。

まとめ:家族の不安を、企業の意思決定に活かす時代へ
今回の調査から見えてきたのは、企業がどんなに安全対策を講じていても、それを家族にどこまで開示できているかが、社員の心理的な安心感を大きく左右する、という事実です。
家族の不安にしっかり向き合い、具体的なサポートと情報共有を行うこと。それが、社員の皆さんが安心して仕事に集中し、ひいては企業の競争力にもつながる、そんな温かいグローバル経営の時代が来ているのかもしれませんね。
調査概要
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調査目的:海外出張に対する「家族の不安」と「企業の対策状況」の可視化
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調査期間:2025年12月
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調査人数:400名
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調査機関:ノウンズ消費者リサーチ
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調査対象:パートナー(配偶者)に海外出張の経験・予定がある20代〜50代の男女





